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痔疾患のお話

痔核は、程度の違いこそあれ誰もが持っています。肛門粘膜下の静脈がうっ血し拡張したものです。人類が二足歩行をして、肛門の高さと心臓の高さの差ができた時からの宿命ともいえます。痔は非常にありふれた疾患ですが、診察を受けるのをためらい、日常生活に不便を感じつつも我慢している方が多いのではないでしょうか。そんな方は是非、一度、当院の外科、肛門科外来を受診してみて下さい。多くの方は、日常生活の改善と薬物治療で軽快します。手術が必要な方は10%程度です。

一口に痔と言いましても、三つの異なる疾患の総称なのです。以下に、その一つずつについて説明いたします。

▼このページの目次
●痔核(いぼ痔)
●痔瘻(あな痔)
●裂肛(きれ痔)

●痔核(いぼ痔)

できる場所によって、内痔核と外痔核にわけられ、症状や治療方法が少し異なります。

内痔核は、先にも書きましたように静脈がうっ血し拡張したもので、程度こそ違っても誰にでもあります。では、治療が必要になるのはどういう状態になったときか?それは、排便する毎に出血する、あるいは、いぼ痔が肛門から脱出して指で戻さなければならない状態です。出血だけなら、毎日入浴し肛門を冷やさないように注意し、薬物治療のみで多くの方は軽快します。いぼ痔が脱出するほど大きくなってしまっている方は、手術をお勧めしています。肛門括約筋の機能を損なわないで、肛門の形態もきれいな手術を行っています。術後約1週間の入院が必要です。

もう一方の外痔核は、肛門の外側(指で触ることができる所)にいぼ状の出来物が、突然、痛みとともに出現します。この出来物は粘膜下の血栓です。ほとんどの方が薬物療法で軽快します。痛みが強く切除しなければならない場合でも、通常、入院は必要ありません。


●痔瘻(あな痔)

痔瘻の説明の前に、肛門周囲膿瘍の説明をいたします。肛門には、皮膚の延長部と大腸粘膜の延長部の境界線があります。この境界線はポケットのようになっていて便中の細菌が入り込みやすい構造になっています。ポケットの中に入った細菌が肛門の周囲で膿のたまりを生じさせることがあります。これが肛門周囲膿瘍です。外痔核と同様に、突然肛門周囲に激しい痛みが出現します。多くは熱感を伴います。できるだけ早期に切開し排膿する必要があります。入院は不要です。

肛門周囲膿瘍が治った後、ポケット構造部と皮膚の間にトンネルができ、皮膚の出口から分泌液が出る状態が痔瘻です。肛門周囲膿瘍の切開排膿を早期に最短のルートで行うと、単純なトンネルで済みます。痔瘻は手術でしか治りません。化膿を繰り返すほどトンネルが複雑な形となり手術が困難になります。

また長期の経過で痔瘻癌の発生する可能性があります。痔瘻は手術が必要です。肛門括約筋の下部を一部切離する場合もありますが、括約筋の機能は保たれます。術後約10日の入院が必要です。


●裂肛(きれ痔)

肛門粘膜が硬い便の通過で切れるのが裂肛です。排便の度に紙に付く程度の出血と肛門痛が起こります。急性期ですと、便通の調節と薬物治療で軽快します。慢性化して肛門粘膜の弾力性が失われてしまうと手術が必要な場合もあります。慢性化した場合、裂肛の部分の括約筋は既に伸縮性を失っていることが多いのですが、手術で更に括約筋機能が低下することはありません。術後約1週間の入院が必要です。


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