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▼このページの目次
●ウイルス性肝炎
●アルコール性肝障害
●自己免疫性肝疾患
●薬剤性肝障害
●代謝性肝障害

●ウイルス性肝炎

  A型肝炎
  B型肝炎
  C型肝炎
  その他のウイルス性肝炎

 

A型
B型
C型
感染の経路経口感染
生水、生カキなど
血液感染
性感染
母子感染
血液感染
輸血など医療行為
原因不明も多い
潜伏期2週〜6週1ヶ月から6ヵ月2週〜6ヶ月
感染力強い強い弱い
急性肝炎での治癒 100%治るほぼ100%治る 20%
残りは持続感染→慢性化
慢性肝炎への移行なしキャリアの10% 約80%
ワクチン ありあり なし

●アルコール性肝障害

   アルコール性脂肪肝
   アルコール性肝線維症
   アルコール性肝炎
   アルコール性肝硬変
   上記4つの確定診断には、肝生検を行ない、
   肝臓の組織学的変化を確認します。

お酒は「百薬の長」と言われるように適量に飲めば健康にマイナスになりませんが、量を超えると、上記のように脂肪肝や線維症を引き起こします。
大酒家においては、アルコール性肝炎から肝硬変に進展、重症化し、ひいては命にかかわることになります。

・・・アルコール性肝障害
<文部省総合研究A高田班1991年の診断基準>

「アルコール性」とは、長期(通常は5年以上)にわたる過剰の飲酒が肝障害の主な原因と考えられる病態で、次の条件を満たすものを指します。

  1. 常習飲酒家(日本酒に換算して1日3合以上)または大酒家(日本酒に換算して1日5合以上、5年以上継続)である。ただし女性の場合は上記飲酒量の2/3程度となります。
    遺伝的にALDH2活性欠損者では、3合以下の飲酒でもアルコール性肝障害を生じることがあります。
  2. 禁酒によりGOT・GPTのデータが明らかに改善し4週間以内にほぼ正常値まで下降。(但し重症型アルコール性肝炎、肝がん合併例は例外)
  3. 次の検査所見のうち、どれか一つ当てはまる。   
    • 禁酒により腫大していた肝臓がもとの大きさにもどる。
    •   
    • 禁酒によりγGTPが明らかに低下する。
  4. アルコール性の肝障害に特異的と考えられるマーカーが検索されていて、いずれかが陽性の場合は確実である。  
    • 血清トランスフェリンの微小変異
    • CTで測定した肝容量の増加
    • アルコール肝細胞膜抗体が陽性。


●アルコール+ウイルス性肝障害

ウイルスマーカー(HBs抗原・HCV抗体)が陽性で、禁酒後のGOT・GPTの変化を除きアルコール性肝障害の条件を満たすもの

適正飲酒の7か条

  1.  自分のペースにゆとりと適量(日本酒1合又はビール1本)
  2.  食べながら飲む習慣を
  3.  週に2日は休肝日を
  4.  他人に強制しない
  5.  薬と一緒に飲まない
  6.  強いアルコール飲料は薄めて
  7.  遅くとも夜10時には切り上げる

●自己免疫性肝疾患

免疫は自分の体を異物から護るしくみです。その攻撃の対象は自分以外のものであるべきで自分の体に向けられるものではありません。通常は、自分の体に対しては免疫反応を起こさないようにいくつかの「からくり」があります。その「からくり」に故障が起きて、自分の体に対して免疫反応が起こるものを自己免疫病と言います。
その中で肝臓に対して起こる自己免疫病が自己免疫性肝疾患で、自己免疫性肝炎(AIH)原発性胆汁性肝硬変(PBC)原発性硬化性胆管炎(PSC)という3つの自己免疫疾患があります。
その数は、多い順では原発性胆汁性肝硬変(PBC)、自己免疫性肝疾患(AIH)、原発性硬化性胆管炎(PSC)となります。原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、肝疾患全体の1〜2%ですので、1000人の患者さんがおられたらだいたい15人くらいの頻度で見られます。
  

 

自己免疫性肝炎
原発性胆汁性肝硬変
原発性硬化性胆管炎
特徴中年女性に多い女性に多い
無症状で進展のないのが半数以上
まれな疾患
1000人に1か2人程度
障害部位肝細胞小葉間胆管隔壁胆管肝内外胆管
病理組織慢性活動性肝炎 慢性非化膿性破壊性胆管炎胆管周囲同心円状線維化
血液検査 GOT、GPTALP、γGTP ALP、γGTP
自己抗体抗核抗体
抗平滑筋抗体
抗肝腎マイクロゾームー1抗体
抗可溶性肝抗原/肝膵抗体
抗糸粒体抗体 核周囲型抗好中球細胞質抗体?
治療 プレドニゾロンウルソデオキシコール酸 (―)
外科的対症療法か肝移植のみ

 

●薬剤性肝障害

薬物性肝障害の診断基準は1978年の「薬物と肝」研究会による基準に基づいて行われています。
肝障害は、漢方薬や健康食品でも起こりえます。原因となっている薬剤を特定するには、患者さまが服用されている薬剤の詳しい聞き取りが大切です。

<薬物性肝障害の判定基準>

  1.  薬剤の服用開始後(約1〜4週)に肝障害の出現をみる。
  2.  初発症状として発熱、発疹、皮膚のかゆみ、黄疸などがある。(2つ以上症状があるとき陽性)
  3.  血液一般検査にて白血球増加、血液像にて好酸球増加(6%以上)を認める。
  4.  薬剤感受性試験が陽性である。
  5.  偶然の再投与により肝障害の発現を認める。

確実に薬剤性と診断できる・・・ 1、4 または1、5を満たすもの
薬剤性肝障害を疑う・・・・・・・1、2 または1、3を満たすもの
*この基準はアレルギー反応が原因で起こる肝障害に用いられます。例えば抗がん剤などの中間代謝産物による肝障害では当てはまらないことがあります。

●代謝性肝障害

脂肪肝
中性脂肪が肝細胞に過剰に溜まる病気です。原因は食べすぎ、飲みすぎ、運動不足による肥満など、ほとんどが生活習慣の問題です。
腹部超音波検査やCTの画像診断、肝機能検査(GOT、GPTが50〜150程度に上昇)で診断がつきます。
右図(腹部超音波):普通、肝臓と腎臓は、同じくらいの黒っぽい像になりますが、肝臓に脂肪がたまり白っぽくうつると、腎臓とはっきり区切りがわかるようになります。「肝腎コントラストあり」という所見が特徴的にみられます。
薬物療法よりも食事療法、運動療法などの治療が中心となり、体重の減量(2〜3kgでも)することで、改善することがよくあります。
  
非アルコール性脂肪性肝炎
ここ数年肝臓の専門家の間で最も注目されている病気の一つです。
飲酒(アルコール)が原因でない脂肪肝のうち、肝臓に強い炎症が起こり、それが原因で線維化が 進行していく疾患です。およそ10〜15年で肝硬変に至るリスクが高く1980年代に新しい病気として米国で認定されました。原因については、不明ですが肥満、高脂血症、糖尿病を持つ女性に多くみられるという特徴があります。
正常な肝細胞と比べ丸く白く抜けて居る所が脂肪化です。
NASHは脂肪化に加え、炎症(紫色の点が集まっているところ)が起こっています。

●先天性肝障害

ウイルソン病
  
銅の代謝に関連した遺伝子の異常が原因で肝臓や脳に銅が多量に沈着し、肝不全や中枢神経系の症状を来たす病気です。
ヘモクロマトーシス
  
鉄が過剰になると様々な臓器、特に肝臓に沈着して肝硬変を起こします。遺伝性のものと鉄の過剰摂取や透析などによる赤血球の破壊による二次的なものがあります。
体質性黄疸
  
ビリルビンの代謝に関連した遺伝子に異常があり、先天的に黄疸を呈する病気です。Gilbert症候群(おおよそのビリルビン値 1〜6mg/dl)、Dubin-Johnson症候群(1〜5mg/dl)、Rotor症候群(3〜10mg/dl)、Crigler-Najar症候群U型(6〜20mg/dl)などがあります。
20歳までの若年者に見つかることが多いですが、Criger-Najar症候群T型(20mg/dl以上)は生後1〜3日に発症し、死に至ることもあるので、専門小児科医のいる施設へ至急移送が必要です。
血清ビリルビン値が2〜3mg/dlを越えると、眼の白目の部分が黄色くなり外見からも黄疸がわかるようになります。
Gilbert症候群は、人口の2〜7%の頻度で報告されていますが、他の症候群の報告は稀です。
Criger-Najar症候群T型は通常乳幼児期に核黄疸を発症して死亡することが多く予後は不良ですが、他の症候群は、軽い黄疸がありますが、命に別状はなく、特に治療の対象になりません。

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